娘に教えられる母親

「お母さんも、もっと早く気づくべきじゃないですか。自分の娘がこんなことになっているのに、きょうまで何も知らないのは親として怠慢ですよ」いまの母親たちは、戦後の混乱期に中、高校生。ほとんど性教育らしいものは受けていない。娘さんたちは、身辺に性の情報があふれかえっているけれど、正しい性知識を身につけている子は意外に少ない。診察室からみれば、性に無知な母親があまりにも多すぎる。つい先日も、妊娠六カ月になるのに気づかず、「お腹に何か固まりがある」と受診しにきた娘さんがいた。ひどい世の中になったものである。

豆知識-10代の人工妊娠中絶について
最近十代の女性の中絶が年々増加の傾向にあります。二十~三十代の中絶が避妊の知識の普及とともに減少しているのに反し、十代の中絶が増加しているのです。これがなぜ問題になるかといえば、心身ともにまだ十分に発育していない女性が、妊娠することにより、流産、早産の危険が大きくなることです。またそれ以後、いろいろな障害を残すことになるからです。女性の完全な成長は、二十歳に入ってから二十五歳ぐらいまでの間と考えられます。体だけは一見大人のようにみえても、女性としては精神的にも肉体的にもまだまだ未熟といえます。心身ともに、成熟した女性になってこそ健全な赤ちゃんが生まれると考えてください。厚生省統計情報部は昭和五十七年の優生保謹統計をまといましたが、十代の少女の人工妊娠中絶数は前年より一割強ふえ、二万四千件を突破しました。少女千人のうち六人が中絶を経験した計算で、その比率、実数とも史上最高記録を更新、中絶少女の激増ぶりを改めて印象づけています。

出典:

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